春の残像

目覚めたら外に出よう。出来る事なら次の春までに。

PUNPUNPUN

高校1年生の頃、僕はスクールカーストの中の限りなく底辺に近いとこで文化系陰キャだった。バンド組んでこれ見よがしに廊下でギターの練習とかしてる連中を歯をギリギリさせながら見てたんだけど、僕はその時既に美大を目指して絵を習ってた。進学校の中ではもうかなり珍しかったから、勉強でも、スポーツでも、チャラさでも落ちこぼれた自分がアイデンティティーを確保できるとすればそれくらいだった。今思えば全然絵が上手い訳でも無かったんだけども、とにかく周りに絵描いてるやつなんて全然居なかったから、上手い下手関係なく、とにかく絵を描いてるということ只それだけで人と違う自分になりえた。もっとも自分が絵を描いてるってことは、あんまり人には言ってなかったから、それが個性だって思ってたのはほぼ自分だけだったんだけど。